採用のカンニングは、上手くいかない。
Column
2026.10.22

他社の採用成功例には、その会社の事情があります。何を解決した方法なのかを確かめ、自社が採りたい人と、続けられる体制に合わせて考えてください。
こんにちは。忘れないように玄関に置いた荷物を、出かけるときに邪魔だなと思ってよけている人事の扉株式会社の桜井透です。
たとえば、採用の打ち合わせで、社長が他社の動画を見せます。社員が踊っていて、再生数も多い。「これ、うちもやろう」。来月の撮影日が決まり、若手社員が集められる。でも、応募してほしいのは経験のある現場監督。その人が応募する理由を考える前に、踊る人だけが決まってしまいました。
他社の成功事例を知ることは大切です。ただ、その会社の動画を同じように作れば、同じように応募が来るとは限りません。学校のテストなら、隣の人も同じ問題を解いています。採用は、会社ごとに問題が違います。募集する仕事も、勤務地も、会社の知名度も、任せられる予算も違うわけです。
しかも、紹介された「成功」の中身も確認が必要です。動画がたくさん見られたのか。説明会の予約が増えたのか。採りたかった人が入社したのか。再生数の話を聞いていたはずが、いつの間にか「人が採れた会社の事例」に変わっていないでしょうか。
事例を聞くときは、「何をやりましたか」の前後を聞いてください。どんな人を採りたかったのか。その人は何に迷っていたのか。施策を見た後、どんな行動が増えたのか。方法の名前だけを持ち帰っても、自社のどこに使えばよいかまでは分かりません。
たとえば、工場見学が応募につながったという事例なら、見学の何がよかったのかを考えます。「怖い先輩がいたらどうしよう」という不安が、教育担当者と話して和らいだのなら、参考にしたいのは担当者に会える機会です。見学会を開くのが難しくても、説明会に教育担当者が参加し、質問を受ける形なら試せるかもしれません。
続けるための体制も確かめます。専任の広報担当がいる会社と、総務も労務も一人で担う会社では、同じ週三回の投稿でも負担が違います。「他社ができているから」は、自社の担当者の予定を空ける理由にはなりません。誰が、いつ、何を減らして取り組むのかまで決めてください。
試すときは、いきなり全部をまねず、今困っている箇所を一つ選びます。説明会には来るけれど応募されないなら、参加者の不安を確かめる。そもそも会社を知られていないなら、知ってもらう機会をつくる。入口で困っている会社と、参加後に困っている会社では、先に直す場所が変わります。
実施前に、何が変われば続けるかも決めておきます。たとえば説明会の改善なら、参加人数だけで終わらず、次の選考を希望した人数と、参加者から出た質問を確かめる。「雰囲気がよくなった」で片付けず、応募へ進めた理由と、まだ残っている迷いを拾います。
成功事例の写真と同じ景色をつくっても、採用が成功したことにはなりません。まねした方法を説明する前に、「うちの候補者の、何を解決するためにやるのか」を一言で説明できるか。他社の事例は、その答えを考える材料です。最後は、自社の問題を解かなければいけません。
採用やSNS運用・ショート動画制作・セミナー登壇に関するご相談はこちらから↗
営業が苦手なので、強引なセールスはしません。
苦手なこと、不得意なことも正直にお伝えします。
お気軽にどうぞ😊