部下の話を聞く前に、上司も話せる相手を持つ。
Column
人事お勧め本
2026.10.23

部下の話を聞けない日、聞き方の技術だけで自分を責めていませんか。『聞く技術 聞いてもらう技術』を手がかりに、上司自身が話せる時間を作ります。
こんにちは。買う前は悪い口コミまで念入りに調べ、買った後は褒めている口コミだけを読んでいる人事の扉株式会社の桜井透です。
例えば、夕方の事務所。採用担当者はパソコンで求人原稿を直しながら、明日の面接日程も調整しています。そこへ部下が相談に来ます。画面から目を離せず、うなずきながら時計も見てしまいます。そんな場面を想像してください。
採用も育成も任され、自分の仕事は後回し。会話を急いで終わらせると、部下の話がまだ途中なのに、解決策を口にしてしまうこともあります。聞き方を知らないのでしょうか。それとも、聞く余裕が残っていないのでしょうか。この二つは分けて考える必要があります。
ここで紹介するのが、東畑開人さんの『聞く技術 聞いてもらう技術』(筑摩書房)です。出版社の紹介と試し読みのまえがきでは、自分の話を聞いてもらうことが、他者の話を受け止める支えになるという考えが示されています。
この視点を職場に置き換えると、部下との面談枠を増やすだけで、聞く側の余裕まで増えるわけではありません。部下の相談は予定表に入っているのに、自分の困りごとを話す時間はどこにもありません。まず見直すのは、その空白ではないでしょうか。
例えば、来週の予定表に、自分の上司へ相談する時間を15分だけ入れてみてください。伝えることは、抱えている仕事、対応に迷った場面、そのときの焦りの三つ。正しい結論を用意してから行く必要はありません。自分でも整理できていない部分まで聞いてもらうための時間です。
直属の上司には話しづらい場合は、守秘を確認できる人事担当者や社外の相談相手でも構いません。部下の個人情報を広げるのではなく、自分が何に困っているかを話します。話し終えたら、一人で抱えていた仕事のうち、何を相談・分担できるかも確認します。
部下のために面談制度を整えるなら、その制度を支える上司にも、話を聞いてくれる相手が必要です。部下の予定を押さえるとき、自分の話を聞いてもらう予定も一緒に押さえてください。聞く側にも、支えを用意しましょう。
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