採用ショート動画は、会社を盛るほど弱くなる。
Column
採用SNS
2026.10.13

採用ショート動画で大切なのは、会社を立派に見せることではありません。働く人の素顔と、日常の空気が伝わるほど、応募者の信頼は少しずつ育ちます。
こんにちは。採用動画は「最初の3秒が勝負」と言いながら、前回のセミナーの冒頭3秒、3回連続噛んでしまった人事の扉株式会社の桜井透です。
採用ショート動画をつくるとき、多くの会社が最初に考えるのは「どうすれば、うちを良く見せられるか」です。オフィスをきれいに片づけ、社員には台本を渡し、都合の悪い部分は編集で消す。もちろん、見やすく整えることは大切です。ただ、整えれば整えるほど、その会社で働く人の体温まで消えてしまうことがあります。
応募者が知りたいのは、広告の中にある完璧な会社ではありません。「この人たちと一緒に働けそうか」「自分がここにいる姿を想像できるか」です。立派な制度を読み上げる動画より、社員が少し言葉に詰まりながらも、自分の経験を話している動画のほうが信頼されることがあります。採用動画に必要なのは、演技のうまさではなく、言葉に実感があることです。
だから私は、撮影前に長い台本をつくり込むよりも、「入社前に不安だったこと」「入社して意外だったこと」「この会社らしいと思った瞬間」の三つを聞くことをおすすめしています。制度の説明だけでは見えない職場の空気が、具体的なエピソードから自然に立ち上がるからです。
ショート動画では、たしかに最初の3秒が重要です。ただし、派手な言葉で無理に引きつける必要はありません。「入社初日に驚いたこと」「面接では聞けなかったこと」など、応募者が自分事として続きを見たくなる入口を置けば十分です。目を止めてもらうことと、会社を大きく見せることは、同じではありません。
編集も同じです。雑音や長すぎる間は整えても、その人らしい表情や言い直しまで消さない。ショート動画の役割は、会社を完成品に見せることではなく、働く人の輪郭を届けることです。少し不器用でも、日常が見える動画は、応募者に判断材料を渡します。その誠実さが、入社後の「思っていたのと違った」を減らすことにもつながります。
一本だけ大きく伸びる動画を狙うより、「この会社は、いつ見ても同じ温度で話している」と感じてもらえる発信を積み重ねる。採用SNSで本当に強いのは、盛った会社ではなく、続けて見ても印象がぶれない会社です。
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