若手の笑顔はあるのに、上司の顔が見えない
Column
2026.10.25

若手社員の笑顔が並ぶ採用ページに、抜けている顔があります。応募者の安心につながるのは、仲のよさを語る言葉より、困った日の小さなやりとりです。
こんにちは。血糖値が一気に上がると眠たくなると聞いて、寝付きの悪い日は炭水化物をどか食いする人事の扉株式会社の桜井透です。
採用ページを開くと、若手社員の笑顔がずらり。座談会では「年齢が近い先輩ばかりで、何でも相談できます」。楽しそうな雰囲気は伝わります。ただ、入社して隣に座る上司の姿は、どこにも見当たりません。
写真撮影の打ち合わせでは、「学生に親しみを持ってもらえるよう、若手中心で」となりがちです。部長や課長は忙しく、本人も「こういうのは若い人に任せるよ」。その結果、採用ページには新人と先輩だけが登場します。
でも、入社後の毎日を若手だけで過ごすわけではありません。仕事を教わる相手、失敗を報告する相手、判断を仰ぐ相手がいます。年齢の近い先輩と話が合っても、上司に質問するたびに緊張する職場なら、働く印象はずいぶん変わります。
だから、採用ページには上司にも登場してもらいましょう。立派な肩書や経歴に加えて、普段の仕事の進め方を紹介するのがおすすめです。「若手の意見を大切にしています」という挨拶だけでは、どんな対応をする人なのか、まだ見えてきません。
たとえば、部下から集める話はこんな場面です。「納期に間に合わないと相談したとき、一緒に作業の順番を整理してくれた」「提案が通らなかったときも、理由を説明して、直すポイントを教えてくれた」。実際にあった出来事を聞き、上司が何を言い、どう動いたかまで載せます。
「優しい上司です」の一言より、忙しい日に相談したときの対応が分かるほうが、働く様子を想像できます。意見が違った場面や、ミスをした場面にも、その人らしさは表れます。飲み会で盛り上がる写真だけでは伝わらない、仕事中の関係です。
ただし、上司の隣で部下に褒めてもらう撮影会になれば、聞ける話も限られます。先に部下から個別に話を聞き、掲載内容を本人たちに確認する。話を盛らず、いつもの対応を紹介する。この順番が大切です。
次に採用ページの写真を選ぶときは、入社後に仕事を教える人、相談を受ける人の名前を書き出してみてください。その人がページに登場しているかを確認するだけでも、顔ぶれは変わります。若手の笑顔に、上司の顔と具体的な行動を添える。応募者が思い描く職場に、入社後に関わる人まで登場させましょう。
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