面接メモの「いい人そう」を、仕事の言葉に変える。
Column
2026.10.20

面接後の「いい人そう」「少し不安」という感想だけでは、社内で判断をそろえにくくなります。聞けた事実、仕事との関係、次に確かめることを分けて記録する方法を紹介します。
こんにちは。睡眠の大切さについて書かれた本が面白くて、徹夜で読んだ人事の扉株式会社の桜井透です。
「感じがよかった」の続きを書く
面接を終えたあと、評価欄に「感じがよかった」と一言。いざ社長に理由を聞かれると、「受け答えがしっかりしていて……」と説明が止まる。こんな場面を想像してみてください。印象が残っていても、それだけでは、任せたい仕事をできるかどうかの話に進めません。
そこで提案したいのが、面接メモを三つに分けることです。「応募者が話した具体的な行動」「募集する仕事とのつながり」「まだ確認できていないこと」。文章の上手さより、この区別を大切にします。
話してくれた内容と、面接官の解釈を分ける
たとえば営業事務の採用で、応募者が「納期に間に合わないと分かり、上司に相談して、お客様への連絡順を決めた」と話したとします。これは説明用の架空例です。
記録の一段目には、その発言の要旨を書きます。二段目には「遅れを把握した段階で相談した経験は、受注後の納期調整でも参考になる」と、仕事との関係を書きます。三段目には「どの時点で遅れに気づいたか、本人が担当した範囲は未確認」と残します。
「調整力が高い」と言い切る前に、判断の材料を見える形にするわけです。応募者の説明は、実務能力を確認し終えた証拠ではありません。「本人の説明による」と分かる書き方にしておくと、聞いた話と確認済みの事実が混ざりません。
確認できなかったことを、低評価にしない
「具体例を聞かなかった」と「具体的に行動していない」は別です。質問しなかった項目まで低く採点すると、面接官の聞き漏れが応募者の評価に入り込んでしまいます。材料が足りない欄には、無理に点数を付けず「未確認」と記録する運用をおすすめします。
追加で聞くなら、「そのとき、ご自身は何を担当しましたか」「最初に何を確認しましたか」「その後、どうなりましたか」と、場面をたどれる質問にします。前職の経験だけに限定せず、募集する仕事に関係する学校やアルバイトなどの経験も聞けるようにしておきます。
面接前に、記録する項目を三つ決める
小さな会社で最初から細かな評価表を作る必要はありません。まずは募集する仕事から、確かめたい行動を三つ選びます。営業事務なら「依頼内容を確認する」「期限を整理する」「困ったときに相談する」などです。これは一例なので、自社で実際に任せる仕事に合わせてください。
面接官は、打ち合わせる前に各自でメモを書き、その後で根拠を持ち寄ります。意見が割れたら、点数の平均を出す前に、どの発言を見て判断したのかを確認します。同じ言葉を聞いて、違う意味に受け取っていた可能性もあるからです。
次の面接では、評価欄の「いい人そう」の横に、「どの発言から、どの仕事を任せられそうだと考えたか」を一行添えてみてください。感想を消すのではなく、仕事の話に進める材料を足す。それが、面接メモを採用判断に使える記録へ変える第一歩です。
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